夢のターゲット「ブルーマーリン(クロカジキ)」に挑んだ冒険in与那国島
ハイサイ!沖縄のニッシーです!
釣り人の皆さんなら誰もが、「忘れられない1匹」との出会いがあるのではないでしょうか。
「初めての釣りで釣れた魚」、「自己記録の大物」、「遠征で釣れた怪魚」など、誰もが心に残るあの1匹との物語を持っているはずです。
今日は、そんな僕のメモリアルフィッシュの思い出「師匠とブルーマーリン(クロカジキ)に挑んだ冒険」の話です。
- 僕と「ブルーマーリン(クロカジキ)」との出会い
- 与那国島で「ブルーマーリン」に挑戦
- 「ブルーマーリン」への挑戦手段
- 師曰く、「カジキ釣りとは宝くじ」
- 「その瞬間」は突然やって来た
- そして決着、ブルーマーリンが見せてくれた「命の輝き」
- 師匠もスピニングタックルでカジキをゲット
- ★ブログ移設のお知らせ
- 【師匠の開催する釣りツアー情報】
僕と「ブルーマーリン(クロカジキ)」との出会い
僕が初めてブルーマーリンを知ったのは、小学生の頃。
マンガ「釣りキチ三平」を読んだときでした。
カジキ釣りの世界大会に挑んだ三平が、キャプテン・エイハブら仲間と共に、怪物級のクロカジキ「デビルソード」に挑むという話があったのです。
ちなみに「デビルソード」の重量は、2000ポンド!
キログラム換算すると「約907キロ」の怪物!
当時近所の池でフナを釣って喜んでいた僕は、想像が出来ない大物に度肝を抜かれたのを覚えています。
図鑑で「ブルーマーリン」を調べると、日本でも沖縄で釣れることが分かりました。
「大きくなったら、自分も釣り上げてやるっ‼︎」
憧れのファイトを妄想しながら、何度もマンガを読み返しました。
そして時は流れ、僕は沖縄に移住…。
20歳になった冬。
与那国島を舞台に、ついに「ブルーマーリン」に挑むことになったのです!
与那国島で「ブルーマーリン」に挑戦
沖縄本島から、南西へ約509キロ。
日本の最西端「与那国島」へは、航空機かフェリーでアクセスが可能です。
今回は、石垣島発のフェリーに乗船。
与那国釣行には、僕の釣りの師匠にも同行して頂きました!
師匠こと小渕さんは、西表島を拠点に多様な釣りツアーを開催する「島道楽」の船長さん。
僕が西表島に住んでカヤックガイドの武者修行をしていた時に、GTフィッシングをはじめとした「沖縄の釣り」を習っていました。
「最近は深海ジギングでリュウグウノツカイを狙ってるよ〜」
師匠は釣りテクニックはもちろん、ターゲットも規格外(笑)。
釣りトークに夢中になって、「片道4時間半の船旅」もあっという間でした。
与那国島では、年中を通して「ブルーマーリン」を狙えますが、ハイシーズンは「1月〜3月」だとされています。
僕がチェックインしたゲストハウスには、「ゴツいタックル」がズラリと並んでいて、ガチ装備のアングラー達が「ゆんたく(おしゃべり)」をしていました。
話に混ぜてもらって聞いてみると、皆さんは「某有名釣具メーカーのテスターさん」達。
カジキ釣行で1週間滞在し、「10名が連日挑戦して上がったカジキは1本」とのこと。
カジキからのアタックもほとんど無く、なかなか渋い状況だったようです。
今回の僕の釣行日数は、2日間のみ…。
ごく限られた時間での釣行に、本当に釣れるのか不安になりました。
しかし僕の不安をよそに、師匠は笑うのです。
「カジキ釣りは宝クジと一緒だ。お前は(運を)持っているから大丈夫」。
「ブルーマーリン」への挑戦手段
翌日、早朝6時前に与那国島の港を出船。
与那国島は「日本の最西端」に位置するので、日本一遅い日の出が出迎えてくれました。
ポイントの「パヤオ(漁礁)」までは、30分であっという間に到着します。
ポイント到着後、お世話になる船長さんに釣り方のレクチャーを受けました。
釣り方は、生き餌を使った「トローリング釣法」。
なんと師匠は、「ジギングロッド+ダイワ社キャタリナ」を組み合わせた「スピニングマーリン」での挑戦。
僕は、一般的な「トローリングタックル」をレンタルします。
初めて見る「ガチガチの専用ロッド、ナイロンラインがこれでもかと巻かれたゴツい両軸リール」の扱いを学びます。
手順は、まず餌となる「シビマグロ(マグロの幼魚)」を釣ります。
これは入れ食いで釣れるのですが、釣り上げたらすぐにハリに掛けて、パヤオ周辺をトローリングします。
カジキが餌に喰いつくとドラグが鳴るので、フッキングを決めたら「ファイティングチェア」に座ってバトル開始。
餌が弱るか取られたら、また餌の魚を確保してトローリング。これを朝から晩まで、ひたすら繰り返します。
なのでカジキがかかるまでは、ひたすら船上待機。
この釣りは、忍耐との勝負でもあるのです。
早速、船長さんがシビマグロを「電動のエビング」で釣り上げ、僕と師匠それぞれの仕掛けにかけて流します。
竿はお互いに1本ずつ。どちらに喰いつくかは、分かりません。
ここから僕に出来ることは、ブルーマーリンが食いつくのを信じて待つだけ…。
師曰く、「カジキ釣りとは宝くじ」
「カジキ釣りは、宝クジですよ」
トローリング中の待ち時間、船長さんが教えてくれました。
「ここでカジキを狙う船は、みんな同じタックル、仕掛け、エサを使っています。狙うポイントもタナも大体は一緒です」
船長さんの言う通り、どの船も近い位置でパヤオを周回しています。
「条件は、みんな平等です。ただ不思議なことに、釣れる人と釣れない人がはっきり分かれてしまう。何日も滞在して、何年も通って釣れない人もいれば、初挑戦であっさり上げる人、1日で3匹も上げてしまう人もいるんです」
「その瞬間」は突然やって来た
「要は、この海の上で1番(運)持っている人の餌にカジキは喰いつくわけです」
船長さんの話を聞いて、僕に根拠のない自信が湧いてきました。
師匠がニヤニヤ笑っています。
「お前は持ってるからな〜(笑)」
出港からすでに6時間経過。
ここで、「奴」からのコンタクトは突然やって来ました!
「出た!カジキだっ‼︎」
お昼を食べ終わってウトウトしていたとき、ヒットを知らせる「ドラグ音」が待ちわびた瞬間を知らせます!!
はたして、カジキが喰ったのは、どっちの竿なのか⁉
・・・
・・・
・・・
「マジか!」
なんと、いきなり僕の竿です‼︎
慌てて竿を「ファイティングチェア」にセットし、僕も戦闘態勢を取ります!
まだ奴は、餌だけを咥えて走っている状態。ここで慌ててしまうと、カジキは警戒して餌を吐き出してしまいます。
船長さんが、タイミングを合わせて船を加速‼
これでバッチリとフッキングが決まったようです!
「さあ、思う存分楽しんでください!」
船長さんの合図で、憧れ続けたブルーマーリンとの対決がスタート!
ラインは、まだ遥か500メートル先。
「無理せずに走らせて大丈夫!」
「凄まじいカジキの突っ込み」が止まった隙にポンピングでラインを手繰り寄せ、偏らないように両軸リールに巻いていきます。
「よし巻け巻けー、どんどん巻けー!ラインテンションは絶対ゆるめたらダメだぞ!」
師匠のアドバイスのおかげで、やがて落ち着いて自分ペースでのファイトに持ち込めました。
寄せては出されてを繰り返していると、沖合でカジキが海面を割って大ジャンプ!
カジキ特有の「テールウォーク(ハリを外そうと水面を尾で歩くようにジャンプすること)」を連発しています。
姿を見て初めて、今自分が闘っている相手のヤバさを実感しました。
「2メートル」は、余裕で超えているデカさ!
時速80キロ超のスピードで突進を繰り返す「ブルーマーリン」は、間違いなく「この海の生態系の頂点」です。
あの日夢中で読んだ「釣りキチ三平」の世界そのままでした。
今、この手に握っているラインの先は、夢の魚とつながっているのです。
横から的確な指示を出す師匠は、まるで「キャプテン・エイハブ」のよう。僕も「三平少年」になったつもりでロッドをさばきます。
リーダーが見えるまで、後少し!
アドレナリンが出過ぎているのか、不思議と疲れを感じません。
湧き上がる興奮を抑えられずに、全力の笑顔でファイトを楽しみました。
そして決着、ブルーマーリンが見せてくれた「命の輝き」
カジキとの勝負がついたのは、40分後!
強烈な突進を繰り返していたカジキでしたが、ようやく目の前まで寄せることが出来ました。
手前まで寄せたカジキに、船長のモリが撃ち込まれました!
後は船に上げるだけなのですが、最後まで油断は出来ません。
突然カジキが暴れて、「鼻先の尖った吻」が人体を貫通することもあるそうです。
カジキの吻をしっかり掴み、船に準備されている「金属バット」で頭部を殴りつけてとどめを刺します。
「今からブルーマーリンの名前の由来が分かりますよ。」
船長さんがバットで絞めると、カジキの身体に変化が起きました!
頭から尾に向けて、カジキの体色が波を打つように青色に光り輝いたのです!
この神秘的な発光現象こそが、「ブルーマーリン」という名前の由来。
クロカジキは絶命の瞬間にだけ青く輝き、また黒色に戻ります。
「写真・動画」だと鮮明な色が伝わらないのが残念ですが、決して誇張した表現ではありません。
僕がこれまで見た中で、間違いなく一番綺麗な青色‼︎
世界中を探しても、こんなに「鮮明な青」は他にないように思います。
この神秘を見ることが出来るのは、「ブルーマーリンを釣り上げたアングラーだけに許された特権」です。
船上にカジキを上げると、改めて実感するサイズ感。
「デカっ‼︎」
自分が戦っていた相手のヤバさを、今更思い知らされます。
正確なサイズを検量するため、一旦港まで引き返します。
到着すると、漁協の方がカジキをクレーンで吊り上げ、検量タイム。
検量のために吊り上げられたカジキと、並んで記念撮影をします。
今回釣りあげたブルーマーリンの重量は、124キロ。
デビルソードには届かないものの、立派なブルーマーリンです!
「船長さんのサポート」、「師匠のアドバイスとエール」が大きな勝因になりました。
そして、早々に写真撮影を終えると、またすぐに出港!
次は自分の番だと燃える師匠に、サイズアップを狙う僕。
その後日没まで粘りましたが、これ以降カジキからのアタックはありませんでした…。
この日に与那国島で上がったカジキは、「僕が釣り上げた1匹だけ」だったそうです。
師匠もスピニングタックルでカジキをゲット
そして釣行最終日の2日目も、朝6時から出港!
日没18時過ぎまで粘りましたが、僕たちの仕掛けにカジキからのアタックはなし。
どうやら昨日で運を使い果たしてしまったようでした…。
目の前では、別の船が「カジキを立て続けに3匹」上げていて、悔しい思いをしました。
このままでは帰れないと、師匠は翌日に延長戦を決定。
その後出船を見送り、オカッパリからの釣りを楽しんでいた僕に入って来たのは、「スピニングタックルで60キロのカジキを上げた」という師匠からの喜びの電話!
そのすぐ後には、「80キロのカジキ」を釣り上げたとの着信が(笑)
今日は、師匠が「大当たりの日」だったようです。
これでお互い無事に、与那国島での目標を達成。
次は僕も腕を磨いて、「スピニングマーリン」に挑戦することを目標に帰路につきました。
釣り上げたカジキは漁協の方に解体して頂き、持ち帰ってみんなで美味しく頂きました!
世界最大級のターゲットにして、海の王者「ブルーマーリン」。
皆さんも自分の強運を信じ、挑戦してみてはいかがでしょうか。
★ブログ移設のお知らせ
このブログを読んでいただいている読者の皆様へ、大事なお知らせがあります。
この度、本ブログの記事を別サイト「http://shimamayaa.com/」に完全移設することになりました。
読者の皆様がより読みやすいブログになるように、新しくデザイン構成や記事を再編集しています。
今後はリニューアルした新サイト「沖縄冒険日誌しままや~」に新しい記事をアップしていきます。
引き続き、よろしくお願いいたします。
【師匠の開催する釣りツアー情報】
島道楽
僕の釣りの師匠、小渕さんの開催するツアーの詳細はこちら。沖縄県西表島にて、あらゆるジャンルのフィッシングガイドに対応されています。(マングローブフィッシング、リーフフィッシング、ルアー、ジギング、エサ釣り、GT、泳がせ釣りなど)