【沖縄冒険日誌】しままや~

海好きで沖縄に移住した、僕(ニッシー)の冒険の記録。釣りを中心とした「沖縄のアウトドア情報」、「自然・生き物の紹介」、「マニアックな観光情報」を移住者目線で発信していきます!モットーは「一期一会、一魚一会」、「観光あきたら冒険いこう!」。

【沖縄冒険日誌】しままや~

幻の魚「センネンダイ」ダシの沖縄そばと「究極のお刺身」を作る⁉

ハイサイ!沖縄のニッシーです!



前回の冒険では、自作のオモックで幻の魚「センネンダイ」を釣り上げました。

 

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この魚は「いつか釣りたい」と僕が長年追ってきた一方で、「いつか食べたい」と思っていた魚でもあります。



今回は釣り上げた「センネンダイ」を存分に味わうため、いつものお店にお邪魔しました。

 

 

「センネンダイ」ってどんな魚⁇

 

センネンダイは、暖かい海に生息するフエダイの仲間です。

特徴は、体表にある「帯状の赤い3本線」。

 

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「川」、「小」の字に見える特徴的な三本線

 

沖縄の方言名「サンバナー」は、この3本線を意味しています。

成長すると最大80センチ程になり、老生魚になると3本線は薄れていきます。

和名のセンネンダイの由来は、「千年に一度しか釣れない」とされることから。

 

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沖縄でも生息数が圧倒的に少なく狙って釣れる魚でもないことから「幻の魚」とされています。

 

「センネンダイ」は究極の味⁉

 

釣り上げたセンネンダイをじっくり観察。

 

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美しい「赤色」と踊り子のような「綺麗な鰭」。


まるで、「竜宮城の住人」のような神秘的な見た目です。

 

 

そして「センネンダイ」は、味も超一級の魚!

 

ただ希少な魚なので、滅多に市場に流通しません。

 

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ある料理屋さんの話によると、その味は「究極」なんだとか!

現場でしっかり血抜きした「究極の食材」を持って、僕はいつものお店「帆掛きそば」に急ぎました。

 

お馴染みの「帆掛きそば」に持ち込み

 

「帆掛きそば」店主のまえとーさんは、僕の釣り友達。

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「GT編」「オニダルマオコゼ編」でもお世話になったお馴染みのお店です。

今回も「センネンダイ」から沖縄そばダシを作って頂こうと、サプライズでお持ちしました。

 

僕のニヤケ顔を見て察した、まえとーさん。

お店に魚を持ち込むたびに、ハードルが上がっている気がします(笑)

 

「センネンダイ」を解体する

 

まえとーさんも以前に、慶良間諸島」の磯でセンネンダイを釣ったことがあるそうです。

 

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「センネンダイ」を捌くまえとーさん

沖縄本島」の磯から釣れた話は聞いたことがないそうで、いかに今回の出会いが幸運であったのかを実感しました。

 


味は、やはり「絶品」だそう!

手始めにセンネンダイを解体し、「身」と「そばダシ用のアラ」に分けます。

 

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「アラ」

 

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「切り身」


切り身は「皮付き」「皮なし」に分けます。

 

「皮付き」の身は、バーナーで炙って氷水につけることで、より美味しく食べることが出来ます。

 

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「下味をつける」&「余分な水分を取る」ために、切り身に塩をまぶします。

 

その後、切り身は冷蔵庫で3日間じっくり熟成させました。

 

「センネンダイ」ダシの沖縄そばを頂く

 

翌日、開店1番にまえとーさんのお店へ。

 

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「アラ」からダシを抽出中

 

作って頂いた、「センネンダイ」ダシの沖縄そばを食べに伺いました。

「千年に一度しか釣れない」とされる「幻の鯛」ダシのそばがこちら。

 

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恐らく「世界初」であろう、もう滅多に食べられないダシです。

まえとーさんの渾身の一杯。

それでは頂きます…。

 

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「うまいっ!」

 

透き通ったスープですが、とてもコクが深く甘い香りが広がっていく味

 

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全然くどさがなく、「飲みやすい上品な味」であっという間に完食してしまいました!

この「センネンダイ」ダシの沖縄そばは、お店を訪れたお客さん達にも大好評

 

 

 

「千年に一度」の美味しさを、たくさんの方と共有出来て嬉しかったです。

 

「センネンダイ」のお刺身は、○○の味

 

そして、お待ちかねの3日間熟成させた「センネンダイ」のお刺身を実食!

 

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「センネンダイ」のお刺身


「究極の味」とされるそのお味は...。

 

 

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「甘いっ!」

想像以上の旨さ。身がとにかく甘くて、上品ないい香り。



「魚のお刺身」というより「甘エビのお刺身」を食べている感覚です。

個人的には、「アカジン(スジアラ)」よりも美味しいと感じました。

間違いなく、僕が沖縄で食べた魚のトップ3に入ります。

 

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特に「皮付きの刺身」が最高

歯応えがしっかりしていて、噛めば噛むほど「甘くて濃厚な味」が楽しめます。

下味に塩をまぶしているおかげで、醤油は少なめで大丈夫。

より魚本来の旨味を味わうことが出来ました。

 

〆は酢飯に切り身を贅沢にのせた「センネンダイ丼」

 

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箸が止まらず、夢中でご飯をかき込みました(笑)

噂に聞いていた通りセンネンダイは「究極の味」でしたよ!

 

またすぐにでも釣って食べたいですが、次に釣れるのは定説通りだと「1000年後」

またいつの日か、「幻」に再会したいものです。

 

それでは、また!

 

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引き続き、よろしくお願いいたします。

 

【店舗情報】

帆掛きそば

 

●所在地: 〒904-2211 沖縄県うるま市字宇堅7

●電話: 098-973-3633

●営業時間:11:00~17:00

●定休日:水曜日

自作のオモックで幻の魚「センネンダイ」を釣る冒険

ハイサイ!沖縄のニッシーです!



近年釣り人の間で話題になった、「オモック」というキーワードをご存知でしょうか?

「自分で簡単に作成可能」で、「材料費が安価」「色々な魚を釣ることが出来る」という魔法のアイテムです。

今日は僕が自作した「オモック」「幻の鯛」を釣り上げたお話です。

 

 

「オモック」とは

 

オモックとは、「オモリ」+「フック(釣り針)」を組み合わせた釣具です。

 

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これが「オモック」

 

名前の通り、「針をつけたオモリを海底に落として魚を誘う」釣り方です。

沖縄県伊是名島の海人さんが考案された釣り方で、YouTubeや釣り番組をきっかけにブレイクしました。

 

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シンプル過ぎる見た目だが…


リアルな見た目の「一般的なルアー」と異なり、ただのオモリに針がついただけの擬似餌。

 

「本当にこんなので魚が釣れるの⁇」

誰もがそう思うでしょう(僕も実際そうでした)


しかし、この「オモック」は簡単なアクションだけで魚が釣れてしまうのです。

基本的には「海底まで沈めて、竿を上下に動かして魚にアピールする」だけ。

 

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ボートから「オモック」で釣ったマクブ(シロクラベラ)

 

僕もオモックを使用して、沖縄三大高級魚の「マクブ」「ムルー(フエフキ系の魚)」を上げています。

 

オモックを使用した釣りでは、「ミーバイ」から「タマン」「メーターオーバーのGT」まで多種多様な魚が釣れています。

 

「オモック」を自作してカスタマイズする

 

そんな夢のアイテム「オモック」ですが、自分で簡単に自作可能です。

詳しい作り方の解説は省きますが、ざっくり説明すると

「オモリの穴にハリガネを通して固定し、通したハリガネで輪を作って釣り針をつける」だけです。

 

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「オモック」の材料

 

必要最低限の材料は「中通しorナツメ型オモリ」「釣り針」「ステンレス製の針金」があればオーケー!

「オモリの号数」や「釣り針」の種類は、「使用するタックル」や「狙う魚」によって変えましょう。

 

 

ちなみに僕は今回、「ショアジギングタックル」を使って、水深が深い「ショア(岸)の磯」から「ミーバイ系(ハタ)」を狙っていました。

なので、「ナツメオモリ20号」と「タマン針16号・18号」を選択。

 

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カスタマイズも自由自在

 

今回は、太めのPEラインで自作した「アシストフック」、アピールを強くするために「タコベイト」をかぶせてカスタマイズしています。

 

これだけカスタマイズしても、オモック1個あたりの材料は150円程度。

通常のルアーを買うと「1個あたり1000円〜数千円」するので、破格の安さです!

 

自作した「オモック」を持って、磯へ

 

オモックを10個作成し、ポイントの「磯」へ向かいます。

オモックは「船」からの釣りでよく使用されますが、「ショア(岸)」からの釣りでも実績があります。

とくに今回のような「磯」のポイントは、地形が荒く根掛かりが頻発する場所です。

 

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慣れていないと、せっかく買った「高価なルアー」を根掛かりですぐ失うことになります。

安価なオモックだと根掛かりを恐れず「海底」を攻めることが出来るので、より釣果につながりやすいのだと思います

 

潮の時間帯を読んでポイントに入ったところ、足元に「ベイト(小魚)」の大群が!

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ベイトのミジュン(イワシの仲間)

 

狙っている大型の魚も「ベイト」を追って接岸しているはずなので、一気に期待が高まりました。

 

幻の魚「センネンダイ」の襲来

 

期待を込めて、自作した「オモック」を沖合めがけてフルキャスト

 

船からのオモックでも共通ですが、アクションは「上下の動き」


魚は「上から落ちてきたものに興味を示し、襲いかかることが多い」です。

 

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なので着底を確認したら、「海底にあるオモックを持ち上げるイメージ」でロッドをシャクります。

このアクションを「水深」「タイミング」を変化させながら繰り返します。

 

 

投げてアクションを繰り返していると、海底付近で「ガンっ!」とひったくるような強いアタリ!

確実にフッキングするために強くアワセを入れて、ファイトを開始

手前の荒い根をかわしながら寄せてくると、海面に大きな赤い魚体が浮かびました。

「やった!デカいミミジャーだ!」

魚体が見えたとき、そう思いました。

 

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以前にルアーで釣ったミミジャー(ヒメフエダイ

 

「ミミジャー(ヒメフエダイ)は、夜行性で日中はあまり釣れない魚。身に甘みがあって、お刺身で食べると最高なんです。

 


ただ何か「違和感」が...

 


磯から5メートル下の海面までタモ網を伸ばし、魚を陸に上げてみると「違和感」の正体に気付きました!

 

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「こいつは、センネンダイだっ!!」

赤い帯状の3本線は、図鑑で見覚えがありました。

 

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「川」、「小」の字に見える特徴的な三本線

 

センネンダイ

名前の由来は、滅多に釣れないことから。

「千年に一度しか釣れない」と言われている幻の鯛です!

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今回釣り上げたのは、「ジャスト50センチ」の個体でした。

 

「センネンダイ」は、僕がいつか沖縄で釣り上げたいと目標にしていたターゲットの1匹!

個体数がとにかく少なく、狙って釣れる魚でもないため、8年間ひそかに追い続けていた魚です。

 

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そんな幻の鯛が「船」からではなく「ショア(岸)」から、しかも「自作したオモック」で釣れるとは...

 

込み上げてくる感情を胸に向かったのは、いつもお世話になっている「あのお店」。

 

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僕にとってセンネンダイは、「釣りたかった魚」であり、いつか「食べてみたかった魚」でもあったのです。

 


次回の記事では、「センネンダイ」ダシの沖縄そばと「究極の味と称されるお刺身」の味をお伝えします。

 

それでは、また!

 

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引き続き、よろしくお願いいたします。

 

【今回のタックル】

 

・ロッド:シマノ「コルトスナイパーSS S106H」
・リール:シマノ「ツインパワーSW8000 PG」
・メインライン:PE3号
・リーダー:ナイロン10号
・ルアー:自作オモック+タコベイト

捕まえたアバサー(ハリセンボン)で、絶品の「アバサー汁」を作る⁉

ハイサイ!沖縄のニッシーです!



前回の記事では、「アバサー(ハリセンボン)」を狙うユニークな釣りを紹介しました。

 

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今回はハリセンボンのサイズアップを狙い、沖縄料理「アバサー汁」を作ります。

 

 

 夜の漁港で「ハリセンボン」を捜索

 

日中でも釣れますが、ハリセンボンは夜行性の魚です。

 

今回はより大きな個体を探して、夜の漁港にやって来ました。

探す場所は前回と同様、「岸壁沿い」「停泊中の船の影」です。

 

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夜の方がより遭遇率が上がる


ヘッドライトをつけて探すと、早速ハリセンボンがいたので捕獲!

夜に見るとトゲトゲの迫力が増して見えます(笑)

ちなみに今回は効率重視で、ハリセンボンの捕獲にを使っています。

 

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泳ぎがのんびりなので、後ろからそっと網ですくえば簡単に捕まえられますよ。

その後も1時間ぐらい堤防を歩き回って、すくい上げたハリセンボンは30匹以上!

 

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「ハリセンボン」が大漁

捕まえた中から、大きさが30センチ程度の子たちを4匹お持ち帰り

 

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ビックリして一斉に膨らんだ


 残りのハリセンボン達は、観察してから海に帰しました。

 

「ハリセンボン」は沖縄県では高級食材

 

全国的に観賞魚としての人気が高いハリセンボンですが、沖縄県では「アバサー」の方言名で親しまれる高級食材です。

ハリセンボンは「フグの仲間」ですが、毒はありません

 

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大型のハリセンボンの仲間「ネズミフグ」の切り身

食用として市場に流通しているのは、大型になる「ヒトヅラハリセンボン」「ネズミフグ」がほとんど。

大きな個体だと1匹5000円近くするので、スーパーで切り身を買う方が多いです。

 

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県内のスーパーで販売されている「アバサー」

 

食べ方は、「唐揚げ」か「アバサー汁(味噌汁)」がほとんどです。

個人的な意見ですが、僕は「アバサー汁は沖縄県の汁物料理の中で1番美味しい」と思っています。

 

「ハリセンボン」を解体する

 

全身を覆うトゲトゲが厄介ですが、手順さえ分かれば簡単に解体出来ます

以下が具体的な手順になります。

 

①:口の周りを一周するように切れ込みを入れる

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皮を剥ぐための切れ込みです。個人的には包丁よりも「キッチンバサミ」がオススメです。

 

②:口の切れ込みから刃を入れて、皮を切り進める

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この作業もキッチンバサミがオススメ。あらかじめ胸鰭や尾鰭周辺に切れ込みを入れておくと、よりスムーズに出来ます。

 

③:皮をめくりながら、包丁で身を切り離す

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ここからは包丁を使用。皮を引っ張りながら身の間に刃先を入れて、解体を進めましょう。

 

④:「キモ」を取り出して、下処理が完成!

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ハリセンボンの「キモ」は極上の味。食材として使うので、捨てずにとっておきましょう。

 

 

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身体の大部分が皮

 

解体後の写真を見て分かる通り、皮を剥ぐとハリセンボンの身はほとんど残りません(笑)

 

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同じ要領で、持ち帰った4匹をそれぞれ解体!

 

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ショッキングなお顔に…

 

あんなに愛嬌があったハリセンボンの顔も、まるで「地球外生命体」のような見た目になってしまいました(笑)

 

絶品の「アバサー汁」を作る

 

いよいよ「アバサー汁」を作っていきます。

手順は以下の通りです。

 

①:下処理したハリセンボンを一口大にカットする

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キッチンバサミを使用。身を食べやすいサイズに切り分けます。



②:沸騰したお湯に身を入れて煮込む

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15分前後煮込みます。アクが出るので取りましょう。



③:「キモ」をすり潰す

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「キモ」泡盛(大さじ1杯)」を小鉢ですり潰しましょう。この「キモ」がアバサー汁最大の魅力です。



④:②の鍋に「③のキモ」と「ネギ」を入れて煮込む

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「味噌」「塩」で味を整えて、5分前後煮込んだら完成です。

 

完成した「アバサー汁」を実食

 

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完成した「アバサー汁」を早速頂きます!

表面に浮かんでいるのは、すり潰して細かくなった「キモ」です。

まずは、ダシがしっかり出たスープから。

 

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「うまいっ!」

細かい「キモ」の一粒一粒がとても濃厚で、とにかく美味しいです!

 

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「ハリセンボン」の身

 

「身も最高!」

見た目、味どちらも「フグ」そのものです!

上品な白身にしっかりと味がしみ込んでいます。


この旨さは、実際に食べてみないと伝わらないのが残念です。

「アバサー汁」は、海鮮料理が豊富な食堂であればメニューにある場合が多いです。

価格はだいたい1500円前後とややお高いですが、観光で沖縄に来られた際はぜひ食べて見てくださいね。

それでは、また!

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近所の漁港で「アバサー(ハリセンボン)」を引っ掛けて釣る冒険

ハイサイ!沖縄のニッシーです!

 

今回僕が狙う「ターゲット」は、この魚。

 

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皆さんご存知、「ハリセンボン」です。

 

水族館で展示されていたり、可愛らしい見た目からファンも多い魚ではないでしょうか。

 

全国的には観賞魚としての人気が高いハリセンボンですが、沖縄県では「アバサー」という方言名で親しまれる食材なのです。

 

今日は、釣りで「ハリセンボン(アバサー)」を捕獲する話です。

 

 

 

「ハリセンボン」ってどんな魚⁇

 

「ハリセンボン」は、暖かい海に生息するフグの仲間です。

 

フグの仲間ですが、は持っていません。

 

全長30センチ程の個体が多く、浅いサンゴの海や港内をのんびり泳いでいるのをよく見かけます。

 

特徴は何と言っても、身体中から生えた「鋭いトゲトゲ」!

 

このトゲは鱗が変化したもので、英名は「ポーキュパイン・フィッシュ」。意味はヤマアラシのような魚」です。

 

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写真上が「通常形態」、写真下が「膨らんでいる途中」

 

普段トゲは寝ていますが、外敵に襲われて危険が迫ると、水や空気を吸って全方位に針を立てます

 

この全身から生えた「トゲ」が、結構な痛さ!

 

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「痛さ」を我慢して撮影

 

手に乗せてるだけでチクチクしますが、ちょっとでも圧がかかると出血するレベルの鋭さです。

 

 

ちなみに「針千本」という名前ながら、実際の針の数は300~400本弱ぐらい。個体によって針の数は異なります。

 

「ハリヨンヒャクポン」では語呂が悪いですもんね(笑)

 

 

沖縄など暖かい海域に生息しているハリセンボンですが、僕の地元の「島根県」でも数年に一度大漁発生し、定置網にかかって問題になります。

 

網の中でハリセンボンがトゲを立てることで、他の「漁獲した魚」に傷がつき、商品価値が暴落するためです。

 

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実家にある「ハリセンボンのフグ提灯」

 

南から流れる海流に乗って、本来生息していない地域にまでやって来るんです。

 

極寒の冬の日本海では生き残れないので、こうしたハリセンボンは死滅回遊魚と呼ばれます。

 

「ハリセンボン」を釣ってみよう

 

さあ、いよいよハリセンボンを狙って釣っていきましょう!

 

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ハリセンボンは、沖縄県内の海岸ならどこにでもいます。

 

今回は、足場のいい漁港を釣り場に選択しました。

 

ハリセンボンを狙う「仕掛け」がこちら!

 

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「仕掛け」のイラスト

 

ラインは「細すぎ、太すぎ」でなければ何でも大丈夫です。

僕は今回、「6号のナイロンライン」を使用しました。

 

実際の写真だと、こんな感じの仕掛けになります。

 

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「仕掛け」の写真

 

後で解説しますが、仕掛けに結んだ「ビニール袋の切れはし」がポイントです。

 

 

上の仕掛けを使った「釣りの手順」は以下の通りです。

 

①:上から海を覗いてハリセンボンを探す

 

堤防を歩いていると、「壁沿い」「停泊中の船の周り」によくハリセンボンが居着いています。

 

見つけたハリセンボンをピンポイントに狙っていくのが確実です。

 

 

②:ハリセンボンの目の前に仕掛けを落とす

 

ターゲットを見つけたら、ハリセンボンの目の前にダイレクトに仕掛けを落としましょう。

 

驚かせないように、少し遠目に優しく落とします

 

 

③:竿を上下に揺らして誘う

 

ここでポイントになるのが、「ビニール袋の切れはし」

 

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「ビニール袋」をちぎってラインに結ぶだけ

 

ハリセンボンは好奇心が強いので、海中でユラユラする「ビニール」「ワーム」に興味津々で近づいて来ます。

 

④:勢いよくフッキング‼︎

 

ユラユラに夢中なハリセンボンに、フッキングをかけましょう。

 

仕掛けの下に「ボラ掛け針」がついているので、手首のスナップを効かせて竿を上にシャくるとフッキングが決まります。

 

後は、引っ掛けたハリセンボンを釣り上げるだけです。

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ハリセンボンさえ見つけることが出来れば、簡単に釣り上げることが出来ますよ!

 

釣り上げた「ハリセンボン」を観察してみる

 

その後も堤防を歩き回り、足下のハリセンボンをテンポよく釣って行きます!

 

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1時間程釣り歩いたところで、釣果は10匹。

 

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水から上げると、「フガフガ」言いながら空気を吸って、少しづつ膨らんでいきます。

 

「一瞬で膨らむ上手な子」、「時間をかけてもなかなか膨らめない不器用な子」とハリセンボンにも個性があって面白いです(笑)

 

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手乗りハリセンボン

 

正面から見ると、とても愛くるしい顔をしています。

 

ハリセンボンは歯がとても鋭いので、口に指を近づけないように注意してください!

 

海中ではこの丈夫な歯を使って、「貝殻」「ウニ」をバリボリ噛み砕いて食べています。

 

 

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ハリセンボンのお腹

ひっくり返すとトゲトゲで、まるで「イガグリ」に見えます。

 

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ハリセンボンの尾鰭

 

ハリセンボンの尾鰭(おびれ)は、極小サイズ

 

小さな尾鰭や胸鰭を「ダンボ」のようにパタパタ羽ばたかせて、ゆっくり泳ぎます。

 

泳ぎがあまり得意でないので、シュノーケリング中に水中で出会っても簡単に捕まえられます。

 

今回釣れたハリセンボン達は小型だったので、観察をした後に全てリリース(釣れた魚を逃すこと)しました。

 

釣り人にとって「厄介な存在」でもある

 

ちなみに、ハリセンボンを専門に狙う人はあまりいません。

 

むしろ「厄介者」として釣り人からは、敬遠される存在です。

 

「ルアー」「エギ」を投げていると追いかけて来てボロボロにされますし、フカセ釣りでも「餌」を器用に盗んでいくためです。

 

次回の記事では、夜の漁港に出かけて捕まえた「ハリセンボン」を美味しく頂く話を紹介します。

 

それでは、また!

 

★ブログ移設のお知らせ

 

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引き続き、よろしくお願いいたします。

 

【今回のタックル】

・ロッド:プロマリン「テトラ大物EX150M」
・リール:シマノ「チヌマチック1000XT」
・ライン:ナイロン6号
・ルアー:ジグヘッド+グラスミノー(S)

怪魚オニダルマオコゼで「沖縄そばダシ」と「絶品のお刺身」を作る⁉

ハイサイ!沖縄のニッシーです!

 

前回の記事では、特大「オニダルマオコゼを釣った話を紹介しました。

 

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釣り上げた2.3キロの「オニダルマオコゼ

 

オニダルマオコゼ「魚類最強クラスの猛毒を持つ魚」だという話は、前回記事で紹介させて頂きました。

 

一方でこの魚は「超高級食材」であり、沖縄県でも「トップクラスに美味しい魚」なのです。

 

漁獲量が少なく市場には余り出回らないですが、卸値は「キロあたり3,000円〜5,000円」の超高級食材なのです。

 

今回釣ったオニダルマオコゼのサイズだと、1万円以上の買値がつきます。

 

 

オニダルマオコゼ」をサプライズで友人のお店に持ち込み

 

せっかく手に入れた「高級食材」

 

僕は釣りたてのオニダルマオコゼを持って、魚料理のプロフェッショナルのお店に急ぎました!

 

以前に「GTダシの沖縄そば作り」でお世話になった、釣り友達・まえとーさんのお店です。

 

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まえとーさんのお店「帆掛きそば」は、日替わりで多様な鮮魚を出汁に使う沖縄そば屋さんです。

まえとーさん自身もフカセ釣りの名手で、自身で釣った魚や釣り仲間が持ち込んだ魚を素材に使っています。

 

今回も何が釣れたのかは秘密にして、サプライズ!

お昼のピークが過ぎて一段落したお店に、オニダルマオコゼを持ち込みました。

 

「まえとーさん、また面白いのを釣って来ましたよ!」

まえとーさんのリアクションを想像して、思わずニヤけてしまいながらクーラーボックスをご開帳です。

 

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 「あぎじゃびよー!(訳:マジかー!)」と、期待通りの嬉しいリアクションを頂きました(笑)

 

今回釣ってきたオコゼは、まえとーさんが今まで見たなかで、最大サイズだそうです。

 

「全魚類最強の毒液発射」の瞬間を観察してみた

 

解体を始める前に、オニダルマオコゼの毒液発射を観察してみました。

 

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いざ実験!

 

通常時には、毒棘は「ブヨブヨした袋状の皮」に覆われています。

上から圧力がかかって針が露出すると、毒液が勢いよく発射される仕組みです。

 

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露出させた毒針

 

実際、「恐怖の毒液」はどのぐらいの勢いで発射されるのか???

顔を保護するために、シュノーケリングマスクをつけて実験した動画がこちらです。

 

 

プライヤーで毒針を露出させ、上から力を入れると「透明な毒液」が噴出!

 

これが「ハブの30倍」といわれる、全魚類中最強クラスの毒です!!

 

勢いが想像以上に凄まじく、発射された毒液はなんと厨房の天井まで届きました!

 

もしオニダルマオコゼを踏んづけてしまって、これだけの勢いで毒が体内に注入されたら・・・。想像を絶する恐ろしさです。

 

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デップリした腹部

 

図鑑によると「腹鰭」「尾鰭」にも毒棘があるらしいのですが、今回は見つけきれませんでした。

 

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こちらは「トゲカジカ」。オニダルマオコゼより大型になる魚

 

そういえばオニダルマオコゼですが、僕が以前に北海道で釣り上げた「トゲカジカ」に見た目が似ています。

 

あまりの美味しさに、箸で鍋を突きすぎて壊してしまう例えで「鍋壊し(なべこわし」の異名を持つトゲカジカ。

 

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極寒の冬の北海道で釣りあげた「トゲカジカ」

 

堤防からルアーで上げた「60センチ、4キロ超え」のトゲカジカ!

あの時食べた肝たっぷりのカジカ鍋、美味しかったな〜

 

いよいよ「オニダルマオコゼ」解体!

 

充分に観察を楽しめたので、いよいよオニダルマオコゼの解体をスタート!

 

 

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オニダルマオコゼは、まえとーさんも初めて捌く魚だそうなので、手順を調べながら進めていきます。

 

相変わらず動かないので生きているかの判断に迷いますが、口だけパクパク動いています

 

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抜いた毒針

 

 口の中は、そのまま巨大な胃袋に直結していました。「胃袋」は湯引きしておつまみに、「肝」は沖縄そばのダシに使用します。

 

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「胃袋」

 

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「肝臓」

 

お腹は弾力性があり、柔らかいゴムボールのよう。下の動画のようにエラから手を突っ込むと、伸縮性抜群です。

 

 

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体表には藻類がびっしり

 

下処理の最後に、苦味の原因となるオコゼの体表に生えた「苔」や「汚れ」を取り除きます。面倒ですが、これを怠ると身に「苦味」や「臭さ」が残って味が大幅に落ちてしまいます。

 

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まえとーさんのアイデアで、沸騰したお湯に魚体をサッと通し、氷水で冷やすことで汚れを浮かせました。

 

タワシで擦ると、面白いくらい汚れが落ちていきます。ちなみにオコゼの魚体には、ウロコがありません。

 

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オコゼの魚体についていた汚れ。まるで、お風呂上がりですね(笑)

これでようやく下処理が完了。手間と時間がかかります。

 

切り身は綺麗な白身

 

いよいよゴールが近づいて来ました!

初めて捌く魚にも関わらず、まえとーさんは魚体の形から想像して解体を進めていきます。


腹を包丁で開き、皮を剥ぎます。

 

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そして、頭を落す時に衝撃の出来事が!

 

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「!!」

 

とっくに死んでいるはずのオニダルマオコゼが、大きく跳ねたのです!

 

恐らく筋肉の痙攣でしょうが、とてつもない「生命力の強さ」を見せつけられました。

 

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オニダルマオコゼの切り身

 

身は一見すると、フグのよう。

「夏のオコゼに冬のフグ」という言葉があります。

これはオニオコゼを指すようなのですが、フグと同等なぐらい、オコゼ類は「味わい深い白身魚」なのです。

 

刺身用に薄造りにしていくと、まえとーさんの悲鳴!

なんと切り身になっても、身がピクピク動いて包丁に逆らっています!!

ここまで来ると、もう「地球外生命体」ですね。

 

超高級食材「オニダルマオコゼ」を実食!

 

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切り身を大皿に盛り付けて、ついに完成!

これだけの量を料理屋さんで食べると、2万円は軽く超えるはずです。

 

早速、頂きます!

 

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「美味いっ!!」

硬すぎない絶妙な弾力の歯応えに淡白でクセのない白身。噛むほどに広がる味わい深さ。

 

ダントツで優勝!!

これまで僕が沖縄で食べた刺身の中で、ブッチギリでナンバーワンの味です!

 

例えるなら、「フグ」「クエ」の良さをいいとこ取りしたような味でしょうか。

 

個人的には、「沖縄三大高級魚(アカジン=スジアラ、アカマチ=ハマダイ、マクブ=シロクラベラ)」よりも格上ですね。

 

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おつまみ用の「胃袋」が、これまた絶品!

巨大な胃袋をさっと湯掻いて氷水で冷やし、まえとーさん特製の「ハチミツニンニク醤油」で漬けた一品です。

噛めば噛むほど味わい深い、コリコリとしたホルモンのような歯応え。

 

僕は魚の部位で、「胃袋」が1番好きです(笑)。

 

世界初⁉「オニダルマオコゼ」ダシの沖縄そば

 

まえとーさんのお店といえば、やっぱり沖縄そば

オニダルマオコゼの「アラ」と「キモ」でダシを取った、「特製沖縄そばを作って頂きました。

 

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鍋で煮込んで、旨味を抽出していく作業

 

普段使っている魚と比べて、出てくる油の量が遥かに少なかったそうです。身がとにかく「淡白」な証拠なんだとか。

 

おそらく、これは世界初の試み。

今後こんなに贅沢に「オニダルマオコゼ」を使ったそばは、そうそう食べられないでしょう!

 

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オニダルマオコゼ」ダシの沖縄そばが完成!

 

そして遂に、まえとーさん渾身の一杯が完成。

 

「これまた美味いっ!!」

 

スープの透明感具合がすごいです。クセや臭みが一切ない、上品かつ奥行きの深い味!

驚くほどあっさりしていて、女性人気が高そうな味

 

あのイカツイ風貌の「オニダルマオコゼ」から出るダシと言っても、絶対に信じてもらえないでしょう。

 

小鉢で出して頂いた「キモ」も臭み一切なし。まさに「アン肝」と同じ味で絶品でしたよ!

 

 

この特別な「オニダルマオコゼ沖縄そば」は、1日限りの数量限定で「帆掛きそば」さんで提供されました。

 

事前に告知をしていたこともあって、「レアなダシ」を目的にオープンの時間から大盛況スープが無くなって、すぐ完売になったそうです。

 

皆さんに喜んで頂けたようで、釣って来た当人としてもハッピーになれました!

 

今回の主役は「オニダルマオコゼ」を捌いてくださった、まえとーさんでしたね(笑)

 

それでは、また!

 

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【店舗情報】

帆掛きそば

 

●所在地: 〒904-2211 沖縄県うるま市字宇堅7

●電話: 098-973-3633

●営業時間:11:00~17:00

●定休日:水曜日

世界最強の猛毒魚「オニダルマオコゼ」を釣る冒険

 ハイサイ!沖縄のニッシーです!

 

皆さんは、「沖縄の海」と聞いてどんなことをイメージしますか??

 

透き通った青い海、白いビーチに美しいサンゴ礁、極彩色の魚たち…。

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観光客の皆さんが想像される「沖縄の海」

 

南国ならではの環境を求めて、「釣り」や「シュノーケリング」などのマリンスポーツ目的に遊びに来られる方も多いです。

そんな沖縄の海で遊ぶ気マンマンな皆さんを、「恐怖に陥れるポスター」がこちら!

 

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【出典】:沖縄県「危険生物ポスター」

 

 

これはビーチや観光施設に掲示されている、「海の危険生物」の注意喚起ポスターです。

 

沖縄の海にはたくさんの生物が生息していますが、こうした「有毒生物」「人間にとって脅威となる生物」も多くいます。

 

一方、観光客の皆さんは「サメ」ばかり怖がっている方々が多い気がします。

 

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夜釣りで釣れたサメ

 

サメも確かに恐ろしいですが、人間を襲う可能性のある種類は、ほんの僅か。観光客の皆さんの多くが遊ぶような場所には、滅多に出現しないといえます。

 

本当に恐ろしいのは、上のポスターに載っているような、「海で遊んでいるすぐ身近に潜んでいる生き物」。

 

今回は、そうした危険生物の中でも、僕が「最も恐れている魚」を釣ってしまったお話です。

 

 巨大「オニダルマオコゼ」との遭遇

 

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この日は、「イノー」へ釣りに出かけました。

イノーとは、サンゴ礁内側の浅い海」のことなのですが、干潮時には膝下ぐらいの水深になるため、立ち込みで釣りが楽しめるのです。

 

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イノーでのルアーフィッシングの釣果

 

主なターゲットは、「イシミーバイ(カンモンハタ)、タマン(ハマフエフキ)」など。

岩の窪みに残った潮溜まりにワームを落としたり、小型のルアーを投げると色々な魚が釣れます。

 

 

釣りをスタートしてすぐのこと。

良さそうなポイントを探して歩いていると、浅瀬にある岩に「妙な違和感」を感じました。

 

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「?」

 

 

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「??」

 

 

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「!?」

 

 

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「!!」

 

 

 

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膝下ぐらいの水深だったので、水中カメラを沈めてみると…。

 

 

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プライヤーでツンツンしても全然動きませんが、これは「例の魚」に間違いありません。

 

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ワームを目の前に落としてアクションさせると、大きな口がガブリと喰いついて来ました!

 

・・・ヒットした後は、ほとんど無抵抗

 

根掛かりした岩を持ち上げるように、巨体をゆーっくりと水面に持ち上げることに成功。

 

そして、釣り上げた「魚の正体」がこちら…。

 

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全長40センチオーバー、重量2.3キロ!

 

特大サイズの「オニダルマオコゼ」です。

 

 

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陸に上げても、全く動く気配なし。

この魚、本当に生きているのでしょうか??

 

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フィッシュグリップで持ち上げると、ようやく「背鰭」と「胸鰭」を拡げて威嚇のポーズ!

 

ちなみに、オニダルマオコゼを漢字で書くと「鬼達磨虎魚」

 

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名前通りのイカツイ顔つき

 

正面から見るとまさに「鬼」で、「達磨」で、「虎」のようなイカツイ顔ですね。

 

ほとんど動くことがない省エネ体質のため、陸上でも数時間は平気で生きているそうです

今回は観察で30分以上水から上げていましたが、弱る様子なくピンピンしていました。

 

実はこいつこそが、「魚類で世界最強クラスの毒」を持ち、沖縄で恐れられている超危険生物なのです。

 

オニダルマオコゼ」ってどんな魚⁇

 

オニダルマオコゼは、全長40センチ程。「小笠原諸島奄美大島沖縄県」に生息する南方の魚です。

 

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海底で岩に同化する「オニダルマオコゼ

 

こちらはダイビング中に海中で出会った個体。

サンゴ礁岩礁混じりの砂地の浅場」を好みます。

 

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同化していると発見が難しい

 

身体の表面がゴツゴツしていて、海底で岩に擬態することで外敵から身を守り、獲物を待ち伏せています。

 

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本州で釣れる「オニオコゼ

 

本州に生息しているオニオコゼと混同されがちですが、別の種類です。

 

オニダルマオコゼ」の方が大きく成長し、持っている毒が遥かに強力とのこと。

 

 

オニダルマオコゼの英名は、「ストーンフィッシュ(石の魚)」

沖縄の方言では、「イシアファー」と呼ばれます。方言は、「イシ(石)かと思ったら魚で、アファー(唖然とする)」という意味。

 

僕もダイビング中に初めて出会った時は、すぐ手の先にいるのに気付かなくて、肝を冷やした記憶があります。

 

オニダルマオコゼ自身は石になりきっているつもりなので、人がかなり近づいても逃げることはありません。

 

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あまりに動かなさ過ぎるためか、今回釣り上げた個体も身体中がむしていました。

 

時には岩に擬態するだけでなく、眼だけを出して砂に潜っている場合もあります

今回のケースでは比較的容易に発見できましたが、風波で水面が揺れていたりすると、まず発見は困難です

 

この「擬態の巧妙」さが、オニダルマオコゼの怖さに直結しているのです。

 

全魚類最強クラスの「毒棘」と「擬態能力」の二刀流

 

オニダルマオコゼの最大の武器は、「背鰭に隠し持った毒棘」です!

普段は「ブヨブヨした背鰭の皮」に収納されていて、目立ちません。

 

ところが、外部から刺激が加わると、長くて鋭い「毒針」が露出

上からの圧力に反応して、勢いよく毒液が発射されます。

 

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この毒棘は、「サンダルやマリンブーツ」を履いていても簡単に貫通する鋭さです。

 

オニダルマオコゼの持つ神経毒は、「全魚類の中で最強クラス」とされています。

その強さは「猛毒ヘビであるハブの30倍」オニダルマオコゼ1匹の毒で大人4人分の致死量」とも恐れられています。

 

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オニダルマオコゼ」の毒棘

 

もし刺されてしまうと、患部が紫色に何倍にも腫れ上がります。あまりの激痛で「意識障害」や「痙攣」を起こし、重症になると呼吸困難や患部の壊死に繋がります

「意識を失うことでの溺死」「刺されたことによるショック死」も報告されています。

 

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コイツもダイビング中に出くわした個体

 

擬態して海底にじっと潜み、気づかずに踏んだら攻撃されるのでまさに「海の地雷」。

膝下ぐらいの浅瀬にも隠れているので、イノーを歩く際は、足下に細心の注意を払うのが鉄則です。

 

実はオニダルマオコゼは「超高級食材」

 

いかにオニダルマオコゼが危険な魚か、皆さんにも伝わったと思います。

 

しかし一方で、この魚は「沖縄でトップクラスに美味しい魚」でもあるのです!

 

漁獲量が少なく市場にも余り出回らないですが、卸値はキロあたり3000円〜5000円の超高級食材!!

 

中でも採れたての刺身は絶品だとか、、、

 

今回釣りあげたオニダルマオコゼのサイズだと、「1万円以上の買値」がつきます。

 

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僕は釣り上げたオニダルマオコゼを持って、魚料理のプロフェッショナルの元に急ぎました!

 

 

以前にも「GTダシの沖縄そば作り」でお世話になった、僕の釣り友達・まえとーさんのお店です。

 

次回の記事は、オニダルマオコゼの解体手順と絶品料理」を紹介。

 

 

さらに貴重な「魚類最強の毒液発射の瞬間」を動画で公開します。

 

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【今回のタックル】

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・リール:シマノ「チヌマチック1000XT」
・メインライン:ナイロン5号
・ルアー:ジグヘッド+グラスミノー(S)

夢のターゲット「ブルーマーリン(クロカジキ)」に挑んだ冒険in与那国島

ハイサイ!沖縄のニッシーです!

 

釣り人の皆さんなら誰もが、「忘れられない1匹」との出会いがあるのではないでしょうか。

 

「初めての釣りで釣れた魚」、「自己記録の大物」、「遠征で釣れた怪魚」など、誰もが心に残るあの1匹との物語を持っているはずです。

 

今日は、そんな僕のメモリアルフィッシュの思い出「師匠とブルーマーリン(クロカジキ)に挑んだ冒険」の話です。

 

 

僕と「ブルーマーリン(クロカジキ)」との出会い

 

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僕の教科書でもある「釣りキチ三平

 

僕が初めてブルーマーリンを知ったのは、小学生の頃。

マンガ釣りキチ三平を読んだときでした。

 

カジキ釣りの世界大会に挑んだ三平が、キャプテン・エイハブら仲間と共に、怪物級のクロカジキ「デビルソード」に挑むという話があったのです。

 

ちなみに「デビルソード」の重量は、2000ポンド!

キログラム換算すると「約907キロ」の怪物!

 

当時近所の池でフナを釣って喜んでいた僕は、想像が出来ない大物に度肝を抜かれたのを覚えています。

 

図鑑で「ブルーマーリン」を調べると、日本でも沖縄で釣れることが分かりました。

 

「大きくなったら、自分も釣り上げてやるっ‼︎」

憧れのファイトを妄想しながら、何度もマンガを読み返しました。

 

そして時は流れ、僕は沖縄に移住…。

 

20歳になった冬。

与那国島を舞台に、ついに「ブルーマーリン」に挑むことになったのです!

 

与那国島で「ブルーマーリン」に挑戦

 

 

沖縄本島から、南西へ約509キロ。

日本の最西端与那国島へは、航空機かフェリーでアクセスが可能です。

 

今回は、石垣島発のフェリーに乗船。

与那国釣行には、僕の釣りの師匠にも同行して頂きました!

 

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師匠はあらゆる釣りのエキスパート

 

師匠こと小渕さんは、西表島を拠点に多様な釣りツアーを開催する「島道楽」の船長さん。

僕が西表島に住んでカヤックガイドの武者修行をしていた時に、GTフィッシングをはじめとした「沖縄の釣り」を習っていました。

 

「最近は深海ジギングでリュウグウノツカイを狙ってるよ〜」

 

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与那国行きのフェリーの前で、師匠の小渕さんと記念撮影

 

師匠は釣りテクニックはもちろん、ターゲットも規格外(笑)。

釣りトークに夢中になって、「片道4時間半の船旅」もあっという間でした。

 

与那国島では、年中を通して「ブルーマーリン」を狙えますが、ハイシーズンは「1月〜3月」だとされています。

 

僕がチェックインしたゲストハウスには、「ゴツいタックル」がズラリと並んでいて、ガチ装備のアングラー達が「ゆんたく(おしゃべり)」をしていました。

話に混ぜてもらって聞いてみると、皆さんは「某有名釣具メーカーのテスターさん」達。

 

カジキ釣行で1週間滞在し、「10名が連日挑戦して上がったカジキは1本」とのこと。

カジキからのアタックもほとんど無く、なかなか渋い状況だったようです。

 

今回の僕の釣行日数は、2日間のみ…。

ごく限られた時間での釣行に、本当に釣れるのか不安になりました。

 

しかし僕の不安をよそに、師匠は笑うのです。

「カジキ釣りは宝クジと一緒だ。お前は(運を)持っているから大丈夫」

 

「ブルーマーリン」への挑戦手段

 

翌日、早朝6時前に与那国島の港を出船。

 

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船から見た「日本一遅い日の出」

 

与那国島は「日本の最西端」に位置するので、日本一遅い日の出が出迎えてくれました。

 

ポイントのパヤオ(漁礁)」までは、30分であっという間に到着します。

 

ポイント到着後、お世話になる船長さんに釣り方のレクチャーを受けました。

 

釣り方は、生き餌を使った「トローリング釣法」

なんと師匠は、「ジギングロッド+ダイワ社キャタリナ」を組み合わせた「スピニングマーリン」での挑戦。

僕は、一般的なトローリングタックル」をレンタルします。

 

初めて見る「ガチガチの専用ロッド、ナイロンラインがこれでもかと巻かれたゴツい両軸リール」の扱いを学びます。

 

 

手順は、まず餌となる「シビマグロ(マグロの幼魚)」を釣ります。

 

これは入れ食いで釣れるのですが、釣り上げたらすぐにハリに掛けて、パヤオ周辺をトローリングします。

カジキが餌に喰いつくとドラグが鳴るので、フッキングを決めたら「ファイティングチェア」に座ってバトル開始。

 

餌が弱るか取られたら、また餌の魚を確保してトローリング。これを朝から晩まで、ひたすら繰り返します

 

なのでカジキがかかるまでは、ひたすら船上待機。

この釣りは、忍耐との勝負でもあるのです。

 

カジキ 釣り 与那国

左側が僕、右側が師匠のタックル

 

早速、船長さんがシビマグロを「電動のエビング」で釣り上げ、僕と師匠それぞれの仕掛けにかけて流します。

 

竿はお互いに1本ずつ。どちらに喰いつくかは、分かりません。

 

ここから僕に出来ることは、ブルーマーリンが食いつくのを信じて待つだけ…。

 

師曰く、「カジキ釣りとは宝くじ」

 

「カジキ釣りは、宝クジですよ」

トローリング中の待ち時間、船長さんが教えてくれました。

 

「ここでカジキを狙う船は、みんな同じタックル、仕掛け、エサを使っています。狙うポイントもタナも大体は一緒です」

 

船長さんの言う通り、どの船も近い位置でパヤオを周回しています。

 

条件は、みんな平等です。ただ不思議なことに、釣れる人と釣れない人がはっきり分かれてしまう。何日も滞在して、何年も通って釣れない人もいれば、初挑戦であっさり上げる人、1日で3匹も上げてしまう人もいるんです」

 

「その瞬間」は突然やって来た

 

「要は、この海の上で1番(運)持っている人の餌にカジキは喰いつくわけです」

船長さんの話を聞いて、僕に根拠のない自信が湧いてきました

 

師匠がニヤニヤ笑っています。

 

「お前は持ってるからな〜(笑)」

 

出港からすでに6時間経過。

ここで、「奴」からのコンタクトは突然やって来ました!

 

「出た!カジキだっ‼︎」

 

お昼を食べ終わってウトウトしていたとき、ヒットを知らせる「ドラグ音」が待ちわびた瞬間を知らせます!!

 

はたして、カジキが喰ったのは、どっちの竿なのか⁉

・・・

・・・

・・・

「マジか!」

なんと、いきなり僕の竿です‼︎

 

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僕の竿に大当たりの宝くじが当選

 

慌てて竿を「ファイティングチェア」にセットし、僕も戦闘態勢を取ります!

まだ奴は、餌だけを咥えて走っている状態。ここで慌ててしまうと、カジキは警戒して餌を吐き出してしまいます。

 

船長さんが、タイミングを合わせて船を加速‼

これでバッチリとフッキングが決まったようです!

 

「さあ、思う存分楽しんでください!」

 

船長さんの合図で、憧れ続けたブルーマーリンとの対決がスタート!

 

ラインは、まだ遥か500メートル先。

 

「無理せずに走らせて大丈夫!」

 

「凄まじいカジキの突っ込み」が止まった隙にポンピングでラインを手繰り寄せ、偏らないように両軸リールに巻いていきます。

 

カジキ 釣り 与那国

巻いては出されるを繰り返す「夢にまで見た瞬間」

 

「よし巻け巻けー、どんどん巻けー!ラインテンションは絶対ゆるめたらダメだぞ!」

 

師匠のアドバイスのおかげで、やがて落ち着いて自分ペースでのファイトに持ち込めました。

 

寄せては出されてを繰り返していると、沖合でカジキが海面を割って大ジャンプ!

カジキ特有の「テールウォーク(ハリを外そうと水面を尾で歩くようにジャンプすること)」を連発しています。

 

姿を見て初めて、今自分が闘っている相手のヤバさを実感しました。

 

「2メートル」は、余裕で超えているデカさ!

時速80キロ超のスピードで突進を繰り返す「ブルーマーリン」は、間違いなく「この海の生態系の頂点」です。

 

あの日夢中で読んだ「釣りキチ三平」の世界そのままでした。

今、この手に握っているラインの先は、夢の魚とつながっているのです。

 

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ようやくファイトを楽しむ余裕が出てきた

 

横から的確な指示を出す師匠は、まるで「キャプテン・エイハブ」のよう。僕も「三平少年」になったつもりでロッドをさばきます。

 

リーダーが見えるまで、後少し!

 

アドレナリンが出過ぎているのか、不思議と疲れを感じません。

 

湧き上がる興奮を抑えられずに、全力の笑顔でファイトを楽しみました。

 

そして決着、ブルーマーリンが見せてくれた「命の輝き」

 

カジキとの勝負がついたのは、40分後!

強烈な突進を繰り返していたカジキでしたが、ようやく目の前まで寄せることが出来ました。

 

カジキ 釣り 与那国

ここからは船長さんにバトンタッチ

 

手前まで寄せたカジキに、船長のモリが撃ち込まれました!

 

後は船に上げるだけなのですが、最後まで油断は出来ません

突然カジキが暴れて、「鼻先の尖った吻」が人体を貫通することもあるそうです。

 

カジキの吻をしっかり掴み、船に準備されている「金属バット」で頭部を殴りつけてとどめを刺します。

 

カジキ 釣り 与那国

これでようやく決着

 

「今からブルーマーリンの名前の由来が分かりますよ。」

 

船長さんがバットで絞めると、カジキの身体に変化が起きました!

 

頭から尾に向けて、カジキの体色が波を打つように青色に光り輝いたのです!

 

 

この神秘的な発光現象こそが、「ブルーマーリン」という名前の由来

 

カジキ 釣り 与那国

 

クロカジキは絶命の瞬間にだけ青く輝き、また黒色に戻ります。

 

「写真・動画」だと鮮明な色が伝わらないのが残念ですが、決して誇張した表現ではありません。

 

僕がこれまで見た中で、間違いなく一番綺麗な青色‼︎

 

世界中を探しても、こんなに「鮮明な青」は他にないように思います。

 

この神秘を見ることが出来るのは、「ブルーマーリンを釣り上げたアングラーだけに許された特権」です。

 

船上にカジキを上げると、改めて実感するサイズ感。

 

カジキ 釣り 与那国

 

「デカっ‼︎」

自分が戦っていた相手のヤバさを、今更思い知らされます。

 

カジキ 釣り 与那国

激闘を終えてカジキと添い寝(笑)

正確なサイズを検量するため、一旦港まで引き返します。

到着すると、漁協の方がカジキをクレーンで吊り上げ、検量タイム

 

カジキ 釣り 与那国

地元の漁協の皆さんにお世話になりました

 

検量のために吊り上げられたカジキと、並んで記念撮影をします。

 

 

カジキ 釣り 与那国

 

 今回釣りあげたブルーマーリンの重量は、124キロ。

 

 デビルソードには届かないものの、立派なブルーマーリンです!

 

カジキ 釣り 与那国

師匠とも一緒に記念撮影

 

「船長さんのサポート」、「師匠のアドバイスとエール」が大きな勝因になりました。

 

そして、早々に写真撮影を終えると、またすぐに出港!

 

次は自分の番だと燃える師匠に、サイズアップを狙う僕。

その後日没まで粘りましたが、これ以降カジキからのアタックはありませんでした…。

この日に与那国島で上がったカジキは、「僕が釣り上げた1匹だけ」だったそうです。

 

師匠もスピニングタックルでカジキをゲット

 

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2日目に見た朝日

 

そして釣行最終日の2日目も、朝6時から出港!

日没18時過ぎまで粘りましたが、僕たちの仕掛けにカジキからのアタックはなし。

 

どうやら昨日で運を使い果たしてしまったようでした…。

 

目の前では、別の船が「カジキを立て続けに3匹」上げていて、悔しい思いをしました。

 

このままでは帰れないと、師匠は翌日に延長戦を決定

その後出船を見送り、オカッパリからの釣りを楽しんでいた僕に入って来たのは、「スピニングタックルで60キロのカジキを上げた」という師匠からの喜びの電話!

 

そのすぐ後には、「80キロのカジキ」を釣り上げたとの着信が(笑)

今日は、師匠が「大当たりの日」だったようです。

 

これでお互い無事に、与那国島での目標を達成

次は僕も腕を磨いて、「スピニングマーリン」に挑戦することを目標に帰路につきました。

 

カジキ 釣り 与那国

解体されたカジキの吻(鼻先)

 

釣り上げたカジキは漁協の方に解体して頂き、持ち帰ってみんなで美味しく頂きました!

 

世界最大級のターゲットにして、海の王者「ブルーマーリン」

 

皆さんも自分の強運を信じ、挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

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引き続き、よろしくお願いいたします。

 

【師匠の開催する釣りツアー情報】

島道楽

僕の釣りの師匠、小渕さんの開催するツアーの詳細はこちら沖縄県西表島にて、あらゆるジャンルのフィッシングガイドに対応されています。(マングローブフィッシング、リーフフィッシング、ルアー、ジギング、エサ釣り、GT、泳がせ釣りなど)

「シガヤー(ウデナガカクレダコ)」を貝殻を投げて釣る冒険

ハイサイ!沖縄のニッシーです!

 

沖縄も11月になるとだいぶ涼しくなってきます。

 

この時期になると、地元の方達が波打ち際に立って、「ンヌジグヮーユベー」という伝統釣法を楽しんでいます。

 

今回は貝殻を投げて「シガヤー(ウデナガカクレダコ)」を釣る方法を紹介します。

 

 

 シガヤーってどんな生き物⁇

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

シガヤーは腕が長いのが特徴

 

「ウデナガカクレダコ」のことを、沖縄の方言で「シガヤー」と言います。

イイダコのような小型のタコで、名前の通り長い脚が特徴です。

 

「岩陰や海藻」などを巣穴にしながら、ながーい足を伸ばし、「カニや貝」を捕食します。

 

このシガヤーは根掛かり必須のガレ場を狙うため、後述する伝統釣法で狙うのが一般的です。

 

釣り竿もハリも使わない「伝統釣法」で狙う

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

みんな夢中でシガヤーを狙っています

 

シガヤーの習性を利用した釣法が、「ンヌジグヮーユベー」です。

 

この釣りでは、ロッドもリールもハリさえも使いません

 

貝殻のついた仕掛けを手で「カウボーイ」のようにぶん回し、黙々と投入し続けるおもしろいスタイルの釣りなのです。

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

タコが好きな貝を通した仕掛けをぶん回し、海へ

 

仕掛けを飛ばす距離は、だいたい5メートル程度

 

仕掛けをズルズルひきずってくると、岩陰や海藻などに「隠れていたシガヤー」が貝を追いかけて来るので、足元まで誘導し、後は鷲掴みでキャッチするだけです。

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

クーラーボックスいっぱいのシガヤー


慣れるまでは、「釣り針がない」ため、逃げられることも多いです。

 

根がかりも少ないため手返しがよく、慣れてくると「1時間で20杯」近く捕まえることも出来ます。

 

伝統仕掛け「ンヌジベント」を自作する

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

 

この釣りで使う仕掛けは「ンヌジベント」と呼ばれます。

地元の釣具店で2,000円〜3,000円で売られていますが、コスパがいい&作る楽しさを味わえる」ので自作をオススメします。

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

この貝殻は特にシガヤーの好物なのでオススメ

 

材料は、イモガイなどの貝殻、ビーズ玉、太目のライン(フロロ24号程度)、10メートル程度のテトロン芯ロープ(釣具店で500円ぐらい)」を用意しましょう。

 

「貝殻」は海で拾ってくればタダ。「ラインとロープ」も普段使いの流用。

かかった材料費は、「100均で買ってきたビーズ玉」ぐらいでしょうか。

安上がりですね(笑)。

 

作り方もとっても簡単です。

 

①:「イモガイ」に穴を開けてラインとビーズを通します。ビーズは動かないように、ラインを2重に通して固定します。

 

②:上の①と同じものを「20センチ間隔」で5個程度作り、ラインの端とロープを結びます。

 

以上で完成。シンプルなので、お子さんでも簡単に自作出来ます

 

シガヤー釣りに詳しい地元の先輩によると、イモガイの隙間から綿を詰めて入口をボンドで固定すること」がポイントらしいです。

どうやら、貝の口を塞ぐことで、タコに「中身が空っぽ」だとバレなくなるんだとか。

 

オプションで、「夜光玉やタコベイト」を追加したりと自分流にカスタマイズするのも面白いですよ。

 

次に、実際に「シガヤー」を釣ってきた話をします。

 

「ンヌジグヮーユベー」で実際にシガヤーを釣る

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

膝下程度の水深にもシガヤーは隠れている

 

それでは出来上がった仕掛けを持って、「ンヌジグヮーユベー」に出かけましょう!

シガヤーが生息しているのは、砂地にガレ場が点在する環境です

見えないだけで、干潮時には干上がるような、「膝下ぐらいの浅瀬」にもたくさん隠れています。

 

「ンヌジグヮーユベー」は、膝下ぐらいの水深のポイントを次々に探り歩く、いわゆるラン&ガンスタイルの釣法です。

 

釣果をあげるコツは、ピンポイントで「タコの巣穴の前」に仕掛けを通すこと

 

「砂地に大きめの岩や藻場がポツンとある場所」、「タコが食べた貝殻が散らばっている場所」が狙い目です。

 

ンヌジグヮーユベー ンヌジグヮーユベー

 

早速、怪しい場所を発見!

「海藻と岩が点在しているようなポイント」で、いかにもシガヤーがたくさん隠れていそうですね。

 

仕掛けをブンブン回し、自作の「ンヌジベント」を投入!

 

底をズルズル引きずってくると、後ろから腕を伸ばしてシガヤーが追いかけて来くるのが見えます。

 

このとき、回収スピードが早すぎると追いつけませんし、遅すぎると見切られてしまいます

基本的には、人間がのんびり歩くぐらいの回収速度で大丈夫です。

 

 

そんな感じで仕掛けを手繰っていると、岩陰からシガヤーが飛び出して貝に抱き着きました!

 

 

「よし、まず1匹目!」

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

 

慎重に足元まで寄せたら、素早くグワシっと鷲掴み!

ビックリしたシガヤーは、墨を吐いて全力で抵抗します。

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

 

とれたのは、アベレージサイズのシガヤーでした!

モタついて逃がしてしまうと、砂に潜ったり、岩陰などに一瞬で雲隠れしてしまいます

 

もう一度同じポイントに仕掛けを投げ入れると、また近くの陰からシガヤーが登場!

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

いいポイントを探し、とにかく手数を打つのがコツ

 

一匹釣れたら、近くにも複数のシガヤーが潜んでいる場合が多いです。

 

追いかけて来るシガヤーとの攻防が楽し過ぎて、夢中になってブンブン回しちゃいました(笑)

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

 

結果、2時間程で30杯以上のシガヤーを確保

 

シーズン真っ只中のハイプレッシャーな状況でしたが、満足な釣果を得ることが出来ました。

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

本日最大サイズのシガヤー


今回1番の大物だったシガヤーは、足までいれて全長50センチ

 

これはシガヤーでも「最大級サイズ」で、めったに取れない大きさです!

 

シガヤーは持ち帰って美味しく食べる

 

持ち帰ったシガヤーは美味しく頂きます。

 

シガヤーは脱走名人なので、持ち帰る際は「蓋つきのクーラーボックス」や「洗濯用のチャック付きケース」などに入れましょう。

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

とにかく脱走するので注意

 

マダコなどと一緒ですが、まずは下処理のヌメリ取りをします。

塩をたっぷりかけ、手揉みして水で流す作業を5回ほど繰り返します。ここでも目を離すとすぐに脱走するので、気を付けましょう(笑)

 

シガヤーは、「タコ飯、パスタ、炒め物」等、何にでも合う万能食材です。

市場には出回らないので、自分で捕まえて来ないと食べられません

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー

 

今回はお酒のオツマミとして、「キムチ和え」と「タコから揚げ」を作りました。

 

マダコなどと比べて小さいながらも、味は濃厚

思わずビールが進む抜群の美味しさです。

 

シガヤーは「タマン狙いの特効エサ」、エギでも狙える

 

シガヤー ンヌジグヮーユベー


ちなみにシガヤーは、タマンこと「ハマフエフキ」が好んで捕食する最高の釣りエサでもあります。

釣具店で買うと高価なエサでもあるので、僕はこの時期にシガヤーを捕まえて冷凍保存したものをタマン釣りに使っています。

 

捕まえたシガヤーを使った「タマン釣り」の詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

 

「最高の食材」兼「最高の釣りエサ」を手軽に楽しく狙えるのが、「ンヌジグヮーユベー」の魅力です。

 

「シガヤー釣り」ですが、若いアングラーには小型のエギを使った方法が流行っています。

エギのカンナの下半分を潰して、根掛かりを回避します。

あらかじめ改良されたエギも売られていますが、ニッパーなどでカンナを半分カットするだけで十分です。

 

みなさんも沖縄に来ることがあれば、ぜひ「シガヤー」を狙ってみてください。

 

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引き続き、よろしくお願いいたします。

 

【沖縄のタコ釣りと漁業権について】

 

今回紹介した「シガヤー(ウデナガカクレダコ)」には漁業権の対象外のため、一般の方でも釣ることが認められています。(2020年6月現在)

 

一方で「サメハダテナガダコ」、「シマダコ」、「ワモンダコ」は漁業権の対象になるため、一般の方は捕獲できません。

 

 

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【サメハダテナガダコ】

 

 

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【シマダコ】

 

 

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【ワモンダコ】

 

出典:【沖縄県の漁業権について】

釣り上げたGTで「沖縄そばダシ」と「絶品料理」を作る⁉

前回の冒険では、ショアから「メーターオーバーのGT(ロウニンアジ)」を釣り上げることができました。

 

僕のモットーは「キャッチ&イート」なので、しっかりお持ち帰りすることにしました。

 

ロウニンアジ GT ガーラ 釣り

前回ショアから釣りあげたGT

 

「120センチ、25キロオーバー」という想定外なサイズだったので、大型のクーラーボックスなのに頭しか入りません。

 

当然、クーラーボックスのフタは閉まりません(笑)

 

なので最寄りの漁港で製氷機を借り、氷漬けにしたGTを持って超特急で「ある場所」に向かうことにしました。

 

 

「GT」は食用として認識されていない魚

 

ところで、GTを釣った」という話はよく聞くんですが、GTを食べた」という話を皆さんは聞いたことがありますか?

 

 GTフィッシングとは、猛烈なファイトを楽しむ「スポーツ色が強い釣り」です。

 

沖縄 船 釣り

ボートからの釣りは「オフショア」と呼ばれる

 

GTを狙う場合、大部分の方がボートからのフィッシングツアーを利用します。

 

こうしたツアーでは、GTの「キャッチ&リリース」を前提としている場合がほとんど。

 

そのため、アングラーは釣り上げたGTを持ち帰ることが出来ず、食べる機会が少ないのです。

 

 

また、GT「市場でもあまり高値がつかない魚」です。

 

特に大型のGTは、「さばく労力に見合った味ではない」と評価されています。

 

 

GTフィッシングのシステム上、食べる機会が少なく、値段も安いことから流通しないため、GTは美味しくない説」が広がっているのかもしれません。

 

しかし、僕は自信を持って断言します!

 

 GTは美味しい魚」だ! ※注:あくまでも個人的主観です

 

沖縄そば屋で「GTダシの沖縄そば」を作ってもらう

 

ということで、激闘をくり拡げたGTに敬意を払い、美味しくいただくことに。

 

釣り上げたGTを持って向かったのは、「帆掛きそば」さん。

 

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僕の釣り友達「前當(まえとー)」さんのお店で、ここでは一風変わった「沖縄そばを提供されています。

 

「帆掛きそば」の特徴は、「無化調かつ、そばダシに地魚が使われている」こと

 

一般的な沖縄そばは、「カツオダシ」がベースです。

 

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「帆掛きそば」でダシになる地魚

 

ここでは、「チン、チヌマン、トカジャー、タマン、ムルー、シルユー、オーマチ、ミーバイ、カーエー、エーグワァー、イラブチャー、アーガイ、ミミジャー、シチューマチ、ビタロー、ガクガク、モンガラ…」などが使われています。

 

あえて沖縄方言で魚名を書いてますが、どんな魚か想像つきますでしょうか?

 

その日使われている魚によって、毎回そばの味が変化するので、来る度にワクワクさせてもらっています!

 

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「帆掛きそば」の沖縄そば

 

「フカセ釣りの名手」であるまえとーさんが自ら釣って来た魚や、釣り仲間からの持ち込みの魚、市場で仕入れた地魚がスープのベースになります。

 

お店にGTを持ち込んだ僕のねらいは、GTダシ沖縄そば」をより多くの方に食べてもらい、GTの美味しさを周囲にPRすることにありました!

 

「GT」の解体と調理にとりかかる

 

GT ガーラ 釣り

左側が僕(ニッシー)、右側がまえとーさん

 

さあ、それではいよいよGTの解体」に取り掛かります。

 

解体は、まえとーさんとの協力体制。

「軍手」を装備して、特大の出刃包丁で開いていくことに。

 

規格外のエラや頭周りの解体は、包丁ではどうにもならないので、ノコギリを使用しました。

 

「身とモツ(胃袋、白子)」は自分たちのお楽しみ用、「アラ」はそばダシ用に分けていきます。

 

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GTの胃袋の中から…

 

胃袋の中からは、呑み込まれたばかりの「トビウオ」が出てきましたよ!

 

順調に作業が進み、解体が完了したのは40分後。

 

GT ガーラ 釣り

 

そば出汁用のアラだけで、90リットルのバケツがいっぱいに。

 

このアラから、なんと200食分の沖縄そばが提供できるそうです!

 

ここからは、プロのまえとーさんが厨房に立ち、作業を進めていきます。

 

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寸胴鍋にお湯を沸かし、GTアラ」を投入!

 

かなり大きめな鍋ですが、アラが規格外サイズなので鍋が小さく見えます()

 

煮詰めながら丁寧にアクを取り、GTの旨みをじっくりと抽出。

 

まえとーさんのブレンドが入り、「特製の沖縄そばダシ」が仕上がっていきます。

 

厨房中に美味しい匂いが広がり、僕のワクワクも最高潮です!

 

遂に「GTダシ沖縄そば」が完成

 

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まえとーさん渾身の一杯

 

そして、ついにGT出汁の沖縄そば」が完成

 

もちろん、まずはスープからいただくことに。

 

 

味の感想は…

 

 

「上品で飲みやすい!!」

 

口に入れた瞬間に「アジ系のいい香り」が広がって、抜群の旨さです。

 

さすがGT

 

ダシの中でも抜群の存在感で泳いでいます。

 

「しつこくない、あっさりした味わい」だったので、スープまで残さずに完食してしまいました。

 

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食べて頂いた方々の評判も上々!!

 

「200食分」全て、訪れた皆さんに美味しく食べて頂きました。

 

GTはきっと、みなさんのエネルギーになって身体の中を泳ぎ回っていることでしょう。

 

 

「初めてGTを食べた!」

 

GTって美味しいんだね!」

 

という声をたくさんいただき、釣ってきた立場としても、本当にうれしかったです。

 

その他の「GT料理」も絶品

 

さてさて、最後に自分たちの楽しみにとっておいたとっておきのGT料理」を紹介。

 

 

GT ガーラ 釣り

【GTの刺身&ニンニク醤油漬け】

 

刺身は「ブリ」に近い味。生で食べると、やや大味。このサイズのGTだと身に脂身が多いので、「漬け」にして食べると一層美味しくなる!

 

 

 

GT ガーラ 釣り

【GTのオリーブオイル焼き&フライ】

 

GTの切り身に塩コショウをまぶし、「オリーブオイル」をかけて焼き上げる。フライも身がフワフワで美味しい。

個人的に大型のGTは火を通した料理があう気がする。味は共に「鶏肉」に近い味、繊細でバツグン!

 

 

 

GT ガーラ 釣り

【GTの兜焼き】

 

GTの頭をバーベキューグリルで、遠火から1時間じっくり焼き上げた一品。「頬肉や目玉周りの肉」が特に絶品で、頭だけでチキンの丸焼き以上の肉がとれる!

 

 

 

GT ガーラ 釣り

【GTの胃袋、白子のニンニク醤油漬け】

 

まえとーさん直伝。個人的に今回一番大当たりだった。

 

塩で丁寧にヌメリを取り、茹でた後に「ニンニク醤油」で漬け。「胃袋」はコリコリ食感、「白子」はフワフワ食感。噛む程に「旨み」が広がる、ヤミツキ注意な味!

 

 

以上、「実はGTは美味しい魚だよ」というお話でした

 

 

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美味しい酒と肴を囲んで、釣り仲間と語らいながら夜を明かす。僕が「釣りが好きで良かった」と、心から実感出来る時間です。

 

釣れたら仲間と「祝賀会」でワイワイ、釣れなかったら「反省会」でワイワイ…

 

この時間を一番の楽しみに、僕は懲りずにまた海へと出かけるのです!

 

それでは、また!

 

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引き続き、よろしくお願いいたします。

 

【店舗情報】

帆掛きそば(ふーかきそば)

 

●所在地: 〒904-2211 沖縄県うるま市字宇堅7

●電話: 098-973-3633

●営業時間:11:00~17:00

●定休日:水曜日

「ショア(岸)」から「GT(ロウニンアジ)」に挑む冒険

ハイサイ!沖縄のニッシーです!

 

海好き、釣り好きが高じて沖縄県」に移住

 

西表島カヤックガイドの武者修行に励み、現在は沖縄本島うるま市の島々を拠点に「海のツアー(カヤック、SUP、釣り)」をやってます。

 

 

沖縄 海 シーカヤック

うるま市でのツアー風景

 

仕事も休日も、毎日が冒険の日々!!

 

台風の日以外は、「海あしび(海で遊ぶこと)」に出かけています(笑)

 

今日は、そんな僕の冒険の記録を紹介します。

 

今回の釣りのターゲットは、「ロウニンアジ」です。

 

 

 「GT」はショア(岸)からでも釣れる魚

 

ロウニンアジ GT ガーラ

 

 

 ロウニンアジは、通称「GT(ジャイアント・トレバリー)」といいます。

 

沖縄の方言では「ガーラ」「カマジーガーラ」

 

釣り人を海中に引きずり込むような規格外のファイトが魅力で、ルアーマン憧れのターゲットです。

 

最大サイズになると全長180センチ、重量は70キロオーバー

 

どう猛な肉食魚で、時には海鳥にも襲いかかります。

 

「ボート」から狙うイメージが強いGTですが、実はタイミングさえ合えば「ショア(岸)」からも釣ることが出来ちゃいます。

 

日中は沖合やリーフエッジ(サンゴの際)を回遊している場合が多いのですが、「朝・夕方のマズメ時」「夜間」「満潮時でエサとなるベイト(子魚)が集まっているとき」にGTは岸近くまで寄ってきます。

 

GTがビーチの浅場に集まった小魚を、水面から半分体を出しながら夢中で追っかけているのを何度も見たことがあります。

 

メーターオーバークラスの大型になると、捕食時の水しぶきと音は「人が飛び込んだり、バタフライしている」のと変わらない衝撃です(笑)

 

ショアGTは、フッキングしてからのファイトの衝撃がボート以上。

 

周囲の地形にも影響されるため、運にも左右される釣りです。

 

 

ロウニンアジ GT ガーラ

自己ベストGTのデジタル魚拓

 

 僕のこれまでの「ショアGT(メーターオーバークラス)」との対戦成績は、3勝15敗

 

自己ベストは、西表島のビーチから釣り上げた124センチ、30キロ

 

時にはロッドを折られたりして、コテンパンにやられています(泣)

 

今日は、久々にオカッパリからGTをキャッチ出来たお話です。

 

PENN「SLAMMER III」と馴染みのポイントへ

 

実はこの日は、「新調したGT用リール」を使った試し打ちのつもりでした。

 

GTを狙う際は頑丈な専門のタックルを使わないと、一瞬で破壊されてしまいます!

 

 購入したのは、PENNの「SLAMMER III-8500」

 

10万円近くもする「ソル〇ィガ」や「ス〇ラ」なんて恐れ多くて使えない(欲しくても買えない)自分ですが、PENNリールは安価で頑丈なので心置きなくガンガン使えます。

 

ペンリール PENN

 

ただこのモデルはリールフットが大きすぎて、僕の所有するGTロッドのリールシートに入りません。そのため、ヤスリでフット部分を削って改造しています。

 

遠慮なく自分好みのカスタムが出来るのも、「PENNリール」の好きなところですね(笑)

 

 

そして準備万端で向かったのは、沖縄本島某所。早朝6時に通い慣れたポイントに到着しました。

 

ここは湾の入口になっていて、潮の満ち引きのタイミングで「外洋と湾内を行き来する魚」が通ります。

 

マングローブジャック カースビー

 

過去にはナイトゲームで、70センチオーバーのマングローブジャック(ゴマフエダイ)」を仕留めた実績ポイントです。

さらにこのポイントは、以前から何度もGTにヤられている場所。新リールの試運転釣行とはいえ、心の奥底ではドでかいホームランを期待していました。

 

1投目からいきなり「奴」がやって来た!

 

あくびをしながらのんびりルアーを準備していると、目の前でいきなり海面が爆発しました!

 

何事かと見ると岸から届く距離で、「グルクマ(サバの仲間)」が大群で逃げ回っている状況。

 

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沖縄での代表的なベイト「グルクマ」

 

「グルクマ」とは、こんな魚。

 

沖縄では、堤防からのサビキ釣りなどで釣ることが出来ます。

 

 

 

逃げるグルクマのすぐ後ろには、背ビレを出して迫る巨影

 

「巨大な影」がグルクマの群れに突っ込むのと同時に、まるで人がプールに飛び込んだ時のような水飛沫と捕食音が、早朝の静かな海につんざきました。

 

「じ、GTだっ!!!」

 

眠気が一気に吹っ飛び、大慌てで「大型ポッパー(サーフェイスブル)」を全力キャスト!

 

サーフェイスブル GT ルアー

「写真下」が今回キャストしていたポッパー

 

キャストした「サーフェイスブル200」のサイズは、ちょうどベイトのグルクマと同じ20センチ。

 

古いルアーですが、ボディに刻まれたGTの歯形がこれまでの実績と信頼の証です。

 

パニックで逃げ惑うグルクマの群れの中を通していると、背後から「メーターオーバークラスのGT」が2匹、ルアーに向かって突っ込んで来ます!

 

・・・

 

3アクションさせて、ポーズ。

 

瞬間、水面が爆発!

 

引ったくられるサーフェイスブル!

 

 

「GTが喰った!!」

 

とんでもない衝撃が竿先から全身へ駆け抜け、締めたドラグからすごい勢いでラインが引きずり出されていきます!

 

GTとの勝負は、まるで大綱引き。

 

「右に左に」とGTが走れば、ラインが擦れないように僕も陸上を駆け回り、腰を落として死ぬ気で止めにかかります!

 

走られている間はリールを巻く余裕などなく、ただただ耐えることしか出来ません。

 

「ボート」からGTと勝負する場合、船長とのコンビネーションで障害物を避けたり、ボートの推進力を利用してファイト出来るので、やや釣り人優位と言えるでしょう。

 

それに対して「ショアGT」は、孤独との闘い。

 

まさに、「人間」VS「魚」の命がけの真剣勝負。

 

 

ようやくリールを少し巻けたと思ったら、またすぐに何十メートルもラインを引きずり出される一進一退の攻防!

 

キツ過ぎて竿を手放したくなりながら、無我夢中で叫び、意地でリールを巻き続けました。

 

30分の死闘の末、決着…

 

最後は波打ち際まで降りてエラに両手を突っ込み、引きずって岸に持ち上げることに。

 

握力はギリギリ。疲労困憊ながらも、今日の勝負は僕の勝ちです!

 

GT ルアー ガーラ ロウニンアジ

 

サイズは120センチ、25キロオーバー!!

 

GTとしては「中サイズ」ですが、オカッパリから釣り上げたことに大きな価値があると思っています。

 

新タックルの試運転のはずが、まさかの1投目からGTをキャッチするという「場外ホームラン」な釣果でした。

 

もしかして、試運転のつもりだったからこそ、心にゆとりが生まれてギラギラした殺気を隠してくれたのかも知れません。

 

僕のこれまでの経験上では、「絶対に釣ってやる!」と意気込んでいる時にはGTは来ないんです。

 

眠くてウトウトしていたり、晩ごはんの献立を考えて油断しているときなんかに限ってチャンスが来る気がします。

 

GTには「釣り人の殺気を感知出来る能力」があるんだと、僕は本気で信じています。

 

GT ガーラ 釣り

持ち帰って食べるためにキープ

 

さて、万が一のために大型のクーラーボックスを持って来ていたんですが、「想定外のサイズ」だったので頭しか入りません(笑)。

 

釣り上げてすぐに血抜きをし、鮮度が落ちないうちに「氷漬けにしたGT」を超特急で持ち帰ります。

 

ボートではリリースされることが多いGT。

 

あまり知られていないのですが、実は美味しい魚なんです。

 

次回の記事では、持ち帰ったGTを解体し、「GTから沖縄そばの出汁を作る」冒険を紹介します!

 

 

それではまた!

 

★ブログ移設のお知らせ

 

このブログを読んでいただいている読者の皆様へ、大事なお知らせがあります。

 

この度、本ブログの記事を別サイト「http://shimamayaa.com/」に完全移設することになりました。

 

読者の皆様がより読みやすいブログになるように、新しくデザイン構成や記事を再編集しています。

 

今後はリニューアルした新サイト「沖縄冒険日誌しままや~」に新しい記事をアップしていきます。

 

引き続き、よろしくお願いいたします。

 

【今回のタックル】

・ロッド:ZENAQ 「FC80-5 Duro Trevally」
・リール:PENN「SLAMMER III-8500」
・メインライン:PE6号
・リーダー:ナイロン24号
・ルアー:サーフェイスブル200